ETC2.0は、高速道路料金の支払いに加え、渋滞回避や安全運転を支援する情報を受取れるサービスです。従来のETCが進化したシステムであり、利用率も増加傾向にあります。
本記事では、ETC2.0の仕組みや従来ETCとの違い、メリット・デメリット、ETC2.0を導入する方法を解説します。
<この記事のポイント>
- 従来のETCとETC2.0の違いをわかりやすく整理
- ETC2.0のメリットとデメリットを具体的に紹介
- ETC2.0に関するよくある質問まで解説
目次
ETC2.0は2016年から運用開始したETCサービス
ETC2.0のメリット
ETC2.0のデメリット・注意点
ETC2.0を利用するまでの流れ
ETC2.0に関するよくある質問
ETCカードを発行するなら「ライフカード」がおすすめ
ETC2.0を活用してより快適・安全な運転を
ETC2.0は2016年から運用開始したETCサービス
ETC2.0は2016年から運用が始まったETCサービスで、従来のETCが進化したものです。高速道路料金の支払いだけでなく、渋滞情報や安全運転を支援する情報などをリアルタイムに受取れる点が大きな特徴です。
料金収受のためのシステムにとどまらず、道路とクルマをつなぎ、さまざまな交通情報を提供する情報サービスの基盤として機能します。
国土交通省によると、2026年1月時点でETC利用率は95.7%、ETC2.0利用率は39.5%となっています※。ETCはすでに多くの利用者にとって身近な存在であり、その中でETC2.0を利用する車も着実に増加している状況です。
※出典:
ETC2.0と従来のETCサービスの違い
ETC2.0と従来のETCの主な違いは、次のとおりです。
| ETC2.0 | 従来のETC | |
|---|---|---|
| 主な機能 | 高速道路料金の決済、安全運転・災害時支援、渋滞回避支援 | 高速道路料金の決済 |
| 割引 | ETC割引、ETC2.0割引 | ETC割引 |
| 一時退出サービス | 利用可 | 利用不可 |
機能面では、従来のETCは高速道路料金の決済が中心でしたが、ETC2.0は高速道路に設置されたアンテナと車が高速・大容量の情報を双方向通信することで、多彩な運転支援を受けられます。
「料金を支払うためのETC」から、「情報を受取り運転に活かせるETC」へ広がっている点が主な違いといえます。
割引では、従来のETC割引に対し、ETC2.0ではETC割引に加えてETC2.0割引があります。ETC2.0搭載車限定の割引が用意されているため、従来のETC搭載車では利用できない割引がある点が特徴です。なお、原則としてほかの割引と重複適用はされず、最も割引額が大きいもののみが適用されます。
さらに、従来のETCでは一時退出サービスの利用はできませんが、ETC2.0では道の駅などを活用した一時退出サービスを利用できます。高速道路からいったん降りて休憩や用事を済ませても、条件を満たせば追加料金がかかりません。
このように、ETC2.0は従来のETC機能を拡張し、より快適・便利・おトクなドライブを実現できるサービスといえます。
ETC2.0のメリット
ETC2.0を利用すると、次のようなメリットがあります。
- 最適な渋滞迂回ルートを選びやすくなる
- 安全運転・災害時支援を受けられる
- 一部区間で料金の割引を受けられる
- 道の駅に一時退出しても追加料金がかからない
以下で順に解説します。
最適な渋滞迂回ルートを選びやすくなる
ETC2.0搭載車は、高速道路のITSスポット(道路上に設置された通信設備)に設置されたアンテナと双方向通信をすることで、広範囲の交通情報を取得できます。渋滞を回避するルートを把握し、最適な迂回ルートを選びやすくなるため、目的地までの所要時間を短縮できる可能性があります。
また、情報取得範囲の違いもポイントです。従来のカーナビのアンテナは約200kmまで対応可能でしたが、ETC2.0では約1,000kmまでの情報を取得でき、長距離ドライブでも目的地近くの渋滞状況を含めた計画的なルート選択が可能になります。
なお、従来のカーナビで受信できたVICSビーコン(道路上に設置された通信装置による交通情報提供システム)による情報提供は、2022年3月31日で終了しています。
安全運転・災害時支援を受けられる
従来のETCにはないサービスとして、安全運転・災害時支援を受けられる点が挙げられます。ETC2.0では、ITSスポットなどを通じて運転中に役立つ情報が提供され、状況把握や注意喚起に活用できます。
支援の例は次のとおりです。
| 内容 | 概要 |
|---|---|
| 渋滞末尾情報 | カーブの先などで渋滞がある場合に画像と音声で知らせる |
| 画像情報 | 雪や霧などの天候情報やトンネル内の渋滞状況を画像で表示する |
| 障害物情報 | 監視カメラやパトロール、通報によって収集された障害物情報を障害物の手前のITSスポットから提供する |
| 事故多発地点の注意喚起 | カーブ先やトンネル出口などの見通しが悪い地点で注意喚起をする |
| 災害時支援 | 災害発生状況や緊急の規制情報、走行可能ルート、避難地情報などの情報を提供する |
一部区間で料金の割引を受けられる
ETC2.0を利用すると、一部区間でETC2.0搭載車限定の割引を受けられます。主な割引適用区間として、圏央道(茅ヶ崎JCT~海老名南JCT、海老名~木更津JCT)、新湘南バイパス(藤沢~茅ヶ崎JCT)、東海環状道、第二京阪道路の一部が挙げられます。
対象区間では、ETC2.0搭載車で料金所をETCの無線通信により通過すると、割引が適用されます。割引の有無や条件は区間ごとに異なるため、利用する路線が対象かどうか事前に確認しておくとあんしんです。
道の駅に一時退出しても追加料金がかからない
高速道路の休憩施設の不足を解消するため、ETC2.0搭載車限定で、道の駅に一時退出しても追加料金がかからない社会実験が実施されています。
指定されたICで高速道路を降りて、対象の道の駅(全国29箇所)に立ち寄り、2時間以内に同じICから同方向に再進入した場合、一時退出しなかった場合と同じ料金が適用されます。対象となる道の駅は、ETC総合情報ポータルサイトで確認できます。
ETC2.0のデメリット・注意点
ETC2.0の導入を検討するうえでは、メリットだけでなく注意点も把握しておきたいところです。
- ETC2.0対応の車載器を設置する必要がある
- 料金の割引が一部区間に限られる
以下で順に解説します。
ETC2.0対応の車載器を設置する必要がある
ETC2.0のサービスは、従来のETC車載器では利用できません。ETC2.0対応の車載器には、従来のETC機能に加え、ITSスポットから情報提供サービスを受ける機能が搭載されているためです。従来のETC車載器を利用している場合は、ETC2.0対応の車載器への取り替えが必要になります。
また、ETC2.0対応の車載器には「カーナビ連動型」と「カーナビレス発話型」があります。カーナビ連動型はETC2.0対応カーナビが必要で、画面表示も含めて情報を受取りやすいタイプです。
いっぽう、カーナビレス発話型でもETC2.0の音声サービスは利用できますが、画像が表示されない点は理解しておきましょう。
料金の割引は一部の区間に限られる
高速道路の渋滞緩和や休憩施設不足の解消を目的としたETC2.0限定の割引や一時退出サービスは、全国どこでも利用できるわけではありません。対象区間や施設を利用しない方にとっては、料金面での恩恵は限定的といえます。
ETC2.0を利用するまでの流れ
ETC2.0を利用するまでのおおまかな流れは主に次の3ステップで、従来のETCと大きく変わりません。
- ETCカードを発行する
- ETC2.0対応の車載器やカーナビを設置する
- ETCカードを車載器に挿入して高速道路を走行する
①ETCカードを発行する
ETCシステムを利用するには、ETCカードが必要です。個人向けのETCカードには、「クレジットカードに付帯するETCカード」と「ETCパーソナルカード」があります。
クレジットカード会社が発行するETCカードは、クレジットカードの追加カードとして発行でき、年会費が無料のものもあります。いっぽう、ETCパーソナルカードは道路会社6社が共同で発行するETCカードで、あらかじめデポジット(平均利用月額の4倍の額)を預託し、その範囲内で利用できる仕組みです。
ETCカードの種類や作り方をより詳しく知りたい方は、以下も参考にしてください。
②ETC2.0対応の車載器やカーナビを設置する
ETCカードを発行した後は、ETC2.0対応の車載器やカーナビを購入し、セットアップと取り付けを行います。取り付けには専門的な技術と知識が必要なほか、セットアップはセットアップ店で行う必要があるため、取扱店への依頼を検討しましょう。
セットアップ店はETC総合情報ポータルサイトで確認できます。購入から取り付けまでをどこで進めるか迷う場合は、まずセットアップ店を探し、相談しながら進めましょう。
③ETCカードを車載器に挿入して高速道路を走行する
セットアップと取り付けが完了した後は、ETC2.0対応の車載器にETCカードを挿し込み、正しく認証されたことを確認しましょう。機器によっては、認証されると音声と画面表示で案内されるため、出発前に動作をチェックしておくとあんしんです。
利用方法は従来のETCと同様で、料金所では「ETC専用」または「ETC/一般」のレーンを利用します。レーン進入時は時速20km以下に減速し、車間距離をあけて走行することが案内されているため、落ち着いてゆっくり通過しましょう。
ETC2.0に関するよくある質問
ETC2.0については、現在使っているETCカードや従来サービスの扱いなど、事前に確認しておきたい点があります。ここでは、よくある質問を紹介します。
ETC2.0でも従来のETCカードは使える?
ETC2.0でも、従来のETCカードがそのまま利用できます。すでにETCカードを持っている場合、新たにETC2.0向けのETCカードを発行する必要はありません。
従来のETCサービスは使えなくなる?
ETC2.0は2016年からスタートしていますが、従来のETCサービスも引き続き利用でき、高速道路料金の支払いには影響しません。
なお、一部の規格が古いETC車載器は、2030年ごろまでに順次利用できなくなります。ただし、これはセキュリティ機能を向上させるための規格変更であり、車載器の種類(ETC/ETC2.0)に直接関係するものではありません。
ETCカードを発行するなら「ライフカード」がおすすめ
ライフカードでは、初年度年会費無料のライフETCカードを発行できます※1。また、カード(ETCカードを含む)を年に一度でも利用すれば、翌年の年会費(1,100円)が無料になります※2※3。
また、ライフカードは年会費永年無料のクレジットカードで、ポイントサービスが充実しています。
公共料金や携帯電話・通信料など毎月の支払いでもポイントがたまり、入会後1年間は1.5倍、お誕生月は3倍にアップするため、おトクにポイントをためられます※4。
※1
一部カードを除く。
※2
ETCカードを追加するカードが年会費有料の場合、あるいはビジネスカードの場合は翌年の年会費が無料です。
※3
一部の提携カードは次年度以降550円(税込)かかります。
※4
ETCカードのご利用分はポイント付与の対象外です。
ETC2.0を活用してより快適・安全な運転を
ETC2.0は、従来のETC機能(料金収受システム)に加え、高速道路と車の双方向通信により多彩な情報を提供するサービスです。ETC2.0を利用すれば、広範囲な渋滞情報を取得でき、迂回ルートを選択しやすくなるほか、安全運転支援やETC2.0割引などのメリットもあります。
いっぽうで、ETC2.0対応の車載器・カーナビが必要な点や、割引が一部区間に限られる点には注意が必要です。特徴を理解したうえでETC2.0を活用し、より快適・安全にドライブを楽しみましょう。