クレジットカードの審査基準は?
項目や必要書類、落ちる原因と対処法を解説
クレジットカードを発行するなら、申込後にカード会社による審査に通過しなければなりません。
カード会社の審査基準は原則公表されていないため、たとえ審査に落ちても明確な原因を知ることはできません。
ただし、クレジットカードの仕組みから審査で重視される項目や審査に落ちる原因をある程度は予測できます。
本記事では、クレジットカードの審査基準や審査の流れ、審査落ちにつながりやすい原因や審査に通らなかったときの対処法を紹介します。
審査がない・甘いクレジットカードはない
クレジットカードは、カード会社が利用者に代わって一時的に代金を立替える「後払い」のシステムです。利用者の支払能力に対する信用をもとにカード会社との間で成り立つ契約であるため、発行にあたってカード会社は利用者の信用を正しく判断する必要があります。
カード会社は独自の基準を設けて審査を実施します。割賦販売法や貸金業法により、審査が義務づけられている項目もありますが、カード会社各社の審査基準は原則として公表されておらず、審査に落ちた場合でも理由を知ることができません。
審査に対して不安を感じる方もいるかもしれませんが、審査がないカードや審査が甘いクレジットカードは存在しないと理解しておきましょう。
クレジットカードの審査の流れ
カード会社や申込者の状況により異なりますが、クレジットカードの発行までに行われる審査の流れは次のとおりです。
- 1申込書や添付書類の審査:名前や住所、勤務先などの記入項目を審査
- 2申告内容の確認:勤務先への在籍確認などを実施
- 3過去の取引履歴の確認:申込者とカード会社との過去の取引状況を把握
- 4信用情報のチェック:信用情報機関に照会して、自社以外のカード利用状況を確認
- 5審査の可否を決定:すべての情報をもとに総合的に審査の結果を判断
クレジットカードの審査にかかる期間は、数日から1~2週間ほどです。ただし、カード会社の審査方針や書類の不備などによって日数は変動します。審査に通過すれば、数日~一週間程度で登録先住所へカードが届きます。特に急ぎの場合は専用カウンターで受け取れる場合もあるので、申込先のカード会社に確認してみましょう。
クレジットカードの審査項目
カード会社は会社独自の基準や経験をもとに、審査の可否を判断しています。具体的な審査基準は公表されていませんが、法律が義務づける審査項目やクレジットカード協会の示す指針などから、どのような内容が審査されるのかはある程度の予測することができます。
そこで、クレジットカードの審査項目として予測される内容を解説します。
属性情報
属性情報とは勤務先や年収、家族構成など、申込者本人に関わる情報です。カード会社は申込者の属性から、支払能力に問題がないかどうかを判断します。審査の対象となる情報はカード会社によって異なりますが、主に次のようなものがあります。
- 職業、勤務先
- 雇用形態(正規雇用あるいは非正規雇用)
- 勤続年数
- 年収
- 住居の状況(持ち家あるいは借家)
- 家族の有無や家族構成
クレジットカードの申込みでは、属性を確認するために、申込者の名前や生年月日、住所などが記載されている本人確認書類を提出するのが一般的です。たとえば、運転免許証、パスポート、健康保険証、住民票、マイナンバーカードなどが本人確認書類に当たります。
キャッシング枠で希望するご利用可能枠や他社からの借入れ状況によっては、源泉徴収票や納税通知書などの収入証明書を求められる場合もあります。
申込者本人は無職で収入がなくても、家族構成によってはクレジットカードの審査に通る可能性があります。たとえば、安定した収入のある家族がいる専業主婦や学生は、世帯収入を申告することでカードの申込みができるため、審査に通れば無職でもカードを持てる可能性があります。ただし、ご利用可能枠は世帯収入によって決まるため、必ずしも希望しているご利用可能枠が与えられるとは限りません。
信用情報
信用情報とは、クレジットカードや各種ローンなどの申込履歴や契約内容、支払状況など取引に関する個人情報で、信用情報機関により厳密に管理されています。クレジットカードの申込みがあると、カード会社は信用情報機関に照会をかけて、申込者の信用情報を確認します。
クレジットカードの審査では、次のような履歴が確認されると考えられます。
- クレジットカードや各種ローン新規申込や契約内容
- クレジットカードや各種ローンの支払状況
- 金融機関からの借入金額
- 金融機関からの借入件数
- 支払いの遅延や延滞など過去のトラブル
信用情報は、カード会社が申込者の支払能力を判断するうえで非常に大切な情報となります。
クレジットカードの審査に落ちる原因

審査基準が公表されていないため、クレジットカードの審査に落ちてもカード会社は理由を教えてくれません。しかし、これまでお伝えしてきた情報をもとに審査項目を想定して、自分の現状と照らし合わせれば、審査落ちする可能性や原因を探れます。
それでは、クレジットカードの審査に落ちる主な原因を解説します。
支払能力が疑問視されている
カード会社による利用料金の「後払い」がルールのクレジットカードでは、申込者の支払能力が重視されます。カード会社は申込者の支払能力を超える契約を結べないため、支払能力に不安があればクレジットカードの審査はむずかしくなるでしょう。
たとえば次のような項目で、支払能力を判断される可能性があります。
- 継続的に安定した収入を得られる仕事に就いているかどうか
- 持ち家あるいは長く暮らしてきた賃貸物件に暮らしているかどうか
- 扶養する家族がいるかどうか
- 過去のクレジットカードの利用実績に問題がないかどうか
支払いの延滞など信用情報に問題がある
信用情報に過去や現在の支払いの遅延や延滞の事実が記載されていると、クレジットカードの審査に落ちてしまう場合があります。
信用情報機関には、過去のネガティブな取引情報も記録されています。クレジットカード利用中の支払遅延や強制解約、自己破産や債務整理などを経験していると、信用情報に問題があると判断される可能性が高まります。
また、多くの人が利用しているスマートフォンの購入代金の分割払いも、支払いが遅延すれば問題視されるので注意が必要です。
他社から多額の借入れをしている
すでに契約済みの他社のクレジットカード、消費者金融など各種ローンからの借入れ状況も、クレジットカードの審査に影響します。
クレジットカードの審査では、年収や他社からの借入れ状況などに応じて、申込者の支払能力を判断します。新しくクレジットカードを作ることで家計への負担が大きくなると見込まれると、審査に落ちる可能性が高まります。
申込書類に虚偽の内容がある
クレジットカードの申込書類の内容に誤りがあれば、虚偽の申告をしたとして信用を失い、審査落ちにつながります。
書面上で実際よりも年収を増やす、勤続年数を長くする、他社からの借入額を減らすなどの細工をしても、カード会社の調査や信用情報機関への照会で事実はすぐ発覚するので、絶対にやめましょう。
勤務先での在籍確認が取れない
クレジットカードの審査の一つに、申込者が申告した勤務先に在籍しているかどうか確認する「在籍確認」があります。在籍確認が取れなければ、虚偽の申告を疑われる可能性があります。
在籍確認は申込書に申告した勤務先への電話連絡が一般的です。本人が電話に出なくても、在籍しているとわかれば「確認できた」とみなされます。すべての申込みで必ず実施されるわけではありませんが、確認される可能性がある点を心にとめておいてください。
ワンランク上のクレジットカードを申し込んでいる
カード会社ごとに、レギュラーカード、ゴールドカード、プラチナカード、エグゼクティブカードのように、クレジットカードのランクが設けられている場合があります。ランクが上がるとご利用可能枠が増え、受けられるサービスや特典も充実します。
ランクが上がるほど、クレジットカードの審査は厳しくなります。支払能力を超えたご利用可能枠が設定されているカードに申し込むと、審査に落ちる可能性があります。
クレジットカードの審査に落ちた場合の対処法
クレジットカードで審査落ちしたら、次の審査に向けて対策を取っておきましょう。ここでは、審査落ちを繰り返さないための対処法を紹介します。
一定期間を置いてから再度申し込む
あるクレジットカードの審査に落ちたからといって、すぐに別のクレジットカードに申し込んでも、審査に通らない場合があります。信用情報機関には、クレジットカードの申込履歴が6ヶ月間保存されるからです。
カード会社ごとに審査基準は異なりますが、申し込んだ履歴が消えるまで6ヶ月間待ってから申し込むほうが安心です。
支払いの遅延などの金融トラブルの記録は契約継続中または契約終了から5年間~10年間保存されると言われています。クレジットカード会社は、信用情報機関に登録されている情報を参考にしながら自社の基準に基づいて審査を実施するため、まずは信用情報機関に登録されている内容に問題がないか確認することも大切です。
他社からの借入れを返済しておく
クレジットカードのリボ払いやキャッシング枠の利用、カードローンなどで多額の返済が残っているなら、返済を終えてから申し込むようにします。
カード会社が避けたいのは、利用者が支払不能に陥る状態です。カード会社が疑問を持たないように、懸念材料は極力なくしておきましょう。
家族カードを申し込む
クレジットカードを持つ家族がいるなら、家族カードを申し込むのもおすすめです。家族カードは本会員の信用をもとに発行されるカードです。
家族カードの発行条件はカード会社によって変わりますが、国内在住の高校生をのぞく18歳以上であれば発行できる可能性があります。専業主婦や大学生の子どもなどでも、本会員と同じ条件のクレジットカードを持てます。
ご利用可能枠は本会員の枠内で、支払いは本会員の引落し口座で一括管理できるため、家計管理しやすいというメリットもあります。
属性を上げる
アルバイトやパートから正社員になる、収入を上げるなど、本人の属性をブラッシュアップすると審査に通りやすくなります。
収入を上げるのは簡単ではありませんが、たとえば同じ会社で勤続年数を増やす、出世して役職につくなど、日々の積み重ねが大切です。
クレジットカードの審査に通過するためのコツ
クレジットカードの審査に不安があるなら、審査に通りやすくなるコツを押さえたうえで申し込むようにしましょう。
一度に複数のカード会社に同時に申し込まない
一度に複数のクレジットカードを申し込むと、その記録は信用情報機関からカード会社に伝わり、審査がいつもより慎重になる傾向があります。
審査が慎重になる理由には、複数のカードを保有すると使い過ぎにより支払不能に陥りやすくなると懸念される、利用予定のない入会特典を目的とした申込みでカード会社にメリットがないと疑われるなどが考えられます。
先述のとおり、クレジットカードの申込履歴は信用情報機関に6ヶ月残ります。その点も考慮して申し込むようにしましょう。
転職や退職をする前に申し込む
クレジットカードの審査では、申込者の支払能力が重視されます。そのため、継続して安定した収入があるかどうかを判断できる、年収と勤続年数は大切な審査項目です。
転職や退職をすると、たとえネガティブな行動ではなくても、安定かつ継続した収入があるという支払能力を判断する材料が乏しくなり、審査に悪影響となる可能性があります。
クレジットカードを申し込む予定があるなら、申込みは転職や退職の前にしておきましょう。
申込書の記入ミスや記入もれに気をつける
故意による虚偽申告だけではなく、記入ミスや記入もれなどうっかりミスによる申込書の申告内容の誤りも、審査落ちにつながる原因になります。本人確認書類の更新忘れで現住所が違う、勤務先の電話番号を間違えるなどのミスに気をつけましょう。
審査結果には影響しなくても、記入ミスや記入もれがあれば審査が長引きます。また、書き間違えによる修正は新しい書面に書き直す必要があるため、申込書は慎重に書きましょう。
審査が不安な場合はデポジット型ライフカードをチェックしよう

クレジットカードを持ちたいけれど審査が不安な場合は、デポジット型ライフカードをチェックしてみましょう※。
デポジット型ライフカードは、事前にカード会社に保証金を預けて、保証金の範囲内で代金の支払いができるクレジットカードです。ご利用代金は、申込時に登録した金融機関の口座から自動振替となります。通常のクレジットカードと同じように、店頭やオンラインでお支払いできるので、クレジットカードを持ちたいが、審査に不安のある方におすすめです。
また、入会初年度はポイント1.5倍、お誕生月は3倍など、おトクなポイントプログラムも用意しているので、おトクに利用できます。
- ※年会費がかかります。初年度は代金引換、2年目以降は口座振替でのお支払いとなります。
クレジットカードの審査が心配ならまずは現状の確認をしよう
クレジットカードの審査で重視されるのは本人の属性情報と信用情報の2つです。これらの情報から、安定的かつ継続的な支払能力があるかを判断されます。審査に不安を感じているなら、他社からの借入れを返済しておくなど、不安要素をできるだけ解消してから申し込むといいでしょう。
審査に不安がある場合は、デポジット型のクレジットカードをチェックしてみましょう。デポジット型ライフカードは、事前に保証金を預けると保証金の範囲内で利用できます。通常のクレジットカードと同様に、月々の利用料金は金融機関の口座から自動引落しとなります。クレジットカードを持ちたいが過去に延滞がある場合は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。