キャッシュレス決済とは?
普及状況やメリット・デメリットを解説

キャッシュレス決済とは、現金を使用せずにお金を払うことです。
急速に多様化しているため、種類が多く、どれを選べばよいか迷う方も少なくありません。
キャッシュレス化は今後も進むと考えられます。
本記事ではキャッシュレス決済の種類や選び方、メリット、注意点などの誰もが知っておくべきキャッシュレス決済の基本を解説します。
現金よりもおトクに利用できることもあるため、ぜひ基本を覚えて使いこなしてください。
キャッシュレス決済とは?
キャッシュレス決済とは、現金以外で支払うことです。
たとえばクレジットカードで決済をすると、現金を使わずに商品やサービスの代金を支払えます。
また、商品やサービスを提供した側も、クレジットカード会社から手数料を差し引いた形で口座にお金が振込まれるため、現金を一度も利用しない状態で代金のやり取りが完了します。
NIRA総合研究開発機構が2023年に実施したアンケートの結果によると、個人の消費支出額におけるキャッシュレス決済比率は、70.6%です※。
今後もキャッシュレス決済がより普及していくことが予想されるため、キャッシュレス決済に慣れる必要があります。
上手に活用すれば、現金のやり取りよりも安全性が高いため、ぜひ仕組みを理解しておきましょう。
キャッシュレス決済の種類
キャッシュレス決済には、クレジットカードやデビットカード、電子マネーなどの種類があり、決済の仕組みは種類によって異なります。
たとえばクレジットカードのように一時的にクレジットカード会社に立て替えてもらい、代金は後払いになるものや、プリペイドカードのように入金した金額のなかから代金を支払う前払いのものもあります。
なお、後払いの決済方法を用いるときは、所定の審査に通過しなくてはいけません。審査に通過しない場合は、後払いの決済方法は利用できません。
| キャッシュレス決済の種類 | 支払いのタイミング | 審査の有無 | 
|---|---|---|
| クレジットカード | 後払い | 有 | 
| デビットカード | 即時払い | 無 | 
| 電子マネー | 前払い | 無 | 
| プリペイドカード | 前払い | 無 | 
| スマホ決済 | 前払い・即時払い・後払い | タイプによる | 
| QRコード決済 | 前払い・即時払い・後払い | タイプによる | 
キャッシュレス決済の現状
現金を使用せずに支払いを済ませるキャッシュレス決済の利用は、年々増加しています。キャッシュレス決済の現状を政府の広報資料※をもとに紹介します。
キャッシュレス決済の普及状況
キャッシュレス決済の利用割合は右肩上がりに増加しています。民間最終消費支出におけるキャッシュレス決済による決済額の割合は2010年には13.2%でしたが、2024年には42.8%と14年間で3倍以上の伸びを見せました。
| 2010年 | 2015年 | 2020年 | 2024年 | |
|---|---|---|---|---|
| キャッシュレス決済の割合 | 13.2% | 18.2% | 29.7% | 42.8% | 
利用されているキャッシュレス決済の割合
キャッシュレス決済の中でも、もっとも多額の決済で利用されているのがクレジットカードです。キャッシュレス決済で決済された金額の実に82.9%が、クレジットカードによるものでした。
事前に入金手続きが必要となるプリペイド式の決済方法や、利用上限額が少額の傾向にあるQRコード決済やスマホ決済と比べ、クレジットカードは多額の決済に向いているのも理由の一つと考えられます。
また、電子マネーによる決済の割合が年々減少していますが、キャッシュレス決済全体の利用額が増えているため、実質的には利用額は増加傾向です。今後は、キャッシュレス決済であることが基本となり、その中から状況に応じた決済方法を選ぶようになると推測されます。
| 決済方法別決済額 | 2017年(割合) | 2020年(割合) | 2024年(割合) | 
|---|---|---|---|
| キャッシュレス全体 | 64.7兆円(100.0%) | 85.8兆円(100.0%) | 141.0兆円(100.0%) | 
| クレジットカード | 58.4兆円(90.2%) | 74.5兆円(86.8%) | 116.9兆円(82.9%) | 
| デビットカード | 1.1兆円(1.7%) | 2.2兆円(2.5%) | 4.4兆円(3.1%) | 
| 電子マネー | 5.2兆円(8.0%) | 6.0兆円(7.0%) | 6.2兆円(4.4%) | 
| コード決済 | ― | 3.2兆円(3.7%) | 13.5兆円(9.6%) | 
キャッシュレス決済の利用方法
キャッシュレス決済の利用方法は、種類によって異なります。代表的な方法を以下で説明します。
クレジットカードの利用方法
クレジットカードは、後払い形式のキャッシュレス決済です。利用したい場合は、まずはクレジットカード会社に申込み、所定の審査を受けなければなりません。
審査に通過した場合は、ご利用可能枠と有効期限が決められ、クレジットカードが発行されます。クレジットカードが使える店舗やオンラインストアで、ご利用可能枠の範囲内で自由に決済ができます。
なお、クレジットカードには、ショッピング機能とキャッシング機能の2つの機能があります。キャッシュレス決済で利用するのはショッピング機能です。クレジットカードのショッピング機能でキャッシュレス決済をすると、代金をクレジットカード会社が一時的に立て替え、翌月か翌々月にまとめて口座から引落とされます※。
キャッシング機能は、お金を借りる機能です。ATMや専用アプリなどを使ってご利用可能枠内で即時に借りることができます。ただし、ショッピング機能とキャッシング機能は別々に審査が実施されるため、審査結果によってはショッピング機能を利用できても、キャッシング機能は利用できないことがあります。
- ※1回払い以外の支払方を選んだときは、まとめて口座から引落とされません。
デビットカードの利用方法
デビットカードとは、銀行口座直結型のカードです。支払いと同時にカードに紐づいた口座から引落とされるため、口座残高を超えた金額の支払いには利用できません。
デビットカードには「J-Debit」(ジェイデビット)と「国際ブランドデビット」の2種類あり、それぞれの加盟店で使うことができます。
デビットカードは即時払いのため審査は不要で、未成年や収入のない方でも利用できます。また、口座残高を超えた金額の支払いはできないため、使いすぎを防ぎやすい点も特徴です。
電子マネーの利用方法
電子マネーとは、貨幣価値をデジタルデータとしてICカードやインターネットに接続されたサーバーに記録し、貨幣価値の授受を電子的に実施する仕組みです※。ICカードまたは電子マネー用のアプリをダウンロードし、事前に利用額分をチャージする方式のキャッシュレス決済です。
店舗で支払う際に、チャージ残高から支払うため、使いすぎを防ぎやすい決済方法です。審査も不要のため、スマートフォンをお持ちの方ならだれでも利用できます。
なお、既に持っているクレジットカードと連携させるとチャージの手間が省け、さらに便利になります。ただしクレジットカードを持っていない場合は、別途クレジットカードを申込み、審査に通過する必要があります。
- ※出典:岩波書店「広辞苑第七版」
プリペイドカードの利用方法
プリペイドカードとは特定の店舗やオンラインストアで、現金の代わりとして使えるカードです。オンラインストアでは、カードタイプだけでなくコードが発行されることもあります。
プリペイドカードには、チャージが可能で繰り返し使えるものと、チャージできない使い捨てのものがあります。オンラインストアや実店舗で購入して使いますが、利用者を登録するわけではないため、ギフトとしても活用できます。
スマホ決済(QRコード決済)の利用方法
スマホ決済とは、決済機能のついたスマホにクレジットカードや電子マネー、銀行口座を登録して支払う方法です。QRコード決済も、スマホ決済のうちの一つです。
店舗で支払う際は、レジ横にあるQRコードをアプリで読み取る場合や、アプリ内のQRコードを提示する場合、スマホを決済端末にタッチする場合の3種類があります。
支払いのタイミングは、クレジットカードを登録する場合は後払い、アプリにチャージする場合は前払い、銀行口座を登録する場合は即時払いなど、選ぶ方法によってタイミングが異なります。
キャッシュレス決済のメリット
キャッシュレス決済には、次のメリットがあります。
- ポイントがたまる
- 窓口や券売機に並ばずに済む
- 会計がスムーズ
- 現金が手元にないときでも支払いができる
- 盗難・紛失のリスクに備えられる
それぞれのメリットを見ていきましょう。
ポイントがたまる
キャッシュレス決済の中には、ポイントがたまるものがあります。現金で支払うとポイントはつかないため、少しおトクになります。
窓口や券売機に並ばずに済む
交通系ICのチャージをオンラインのキャッシュレス決済にすると、切符を買うために窓口や券売機に並ぶ必要がありません。電車から新幹線への乗り換えなどもスムーズにでき、移動が楽になります。
また、コンサートなどの興行チケットを購入する際も、オンラインで事前に決済・購入していれば、チケット売り場に並ばずに済みます。入場までの時間を短縮できるので、時間を有効活用できます。
会計がスムーズ
キャッシュレス決済対応の店舗なら、カードを差し込んで暗証番号を入れる、端末にタッチするなどの動作だけで会計が終わります。
現金を数えたりお釣りを受取ったりする必要がないため、レジ前に人が並んでいるときでも、後ろの人の待ち時間を短縮できます。
現金が手元にないときでも支払いができる
財布に現金が入っていないときでも、キャッシュレス決済ならご利用可能枠の範囲で支払いが可能です。
また、高額のお買い物をするときも銀行からお金を引出す必要がなく、たくさんの現金を持ち歩かなくてもよいので、現金の管理に気を遣う必要がありません。
盗難・紛失のリスクに備えられる
現金を盗難・紛失した場合、手元に戻ってくる可能性は決して高くありません。いっぽう、クレジットカードやデビットカードは失くしても再発行が可能です。
また、盗難・紛失後に不正利用をされた場合でも補償される場合があります。さらに、Webのマイページや専用アプリから暗証番号などで他人が使えないようにロックでき、安全性を高められます。
キャッシュレス決済のデメリット

キャッシュレス決済には、デメリットもあります。とりわけ次の点には注意が必要です。
- キャッシュレス決済に店側が対応していない可能性がある
- ご利用可能枠が決まっている
- 審査に通過しないと利用できない方法もある
それぞれの注意点と、デメリットを回避する方法を説明します。
キャッシュレス決済に店側が対応していない可能性がある
キャッシュレス決済の方法は多くありますが、必ずしも利用する店舗がすべてのキャッシュレス決済に対応しているわけではありません。
クレジットカードには対応していても、国際ブランドが異なるために利用できないケースや、電子マネーサービスの種類が異なるなどのケースもあります。
現金決済であれば、その国の通貨なら基本的にはどこでも利用が可能です。利用しているサービスが対応していなかったときのために、現金やキャッシュカードも用意しておくとよいでしょう。
ご利用可能枠が決まっている
前払いなら入金額、即時払いなら口座残高、後払いならご利用可能枠を超えて利用できません。キャッシュレス決済をする前に、使える金額を確認しておきましょう。
とりわけクレジットカードの場合は、ほかのキャッシュレス決済と比べるとお金が減っていく感覚が少ないため、気付かない間に利用可能枠を超えてしまう可能性があります。使いすぎないように明細を確認することが大切です。
審査に通過しないと利用できない方法もある
クレジットカードなどの後払いのキャッシュレス決済は、審査に通過しないと利用できません。
審査に通過しなかった方や、審査を回避したい方は、即時払いか前払いのキャッシュレス決済を利用しましょう。
キャッシュレス決済を利用する際の注意点
キャッシュレス決済を利用する際には、以下のポイントに注意が必要です。
- 複数の決済方法を利用できるようにする
- 利用額を確認する
それぞれのポイントを解説します。
複数の決済方法を利用できるようにする
キャッシュレス決済には種類が多くありますが、すべての方法をすべての場所で利用できるわけではありません。支払いを受ける側、サービスや商品を提供する側が対応している方法でのみ決済が実施されるため、決済する側は自由に決済方法を選択できない点に注意が必要です。
支払いを受ける側がどの決済方法に対応しているかわかりません。スムーズな決済のためにも、現金払いも含め、複数の決済方法を利用できる状態にしておきましょう。
利用額を確認する
キャッシュレス決済は種類が多く、多くの方が複数の種類を利用しています。そのため、どこでどの決済方法を使い、いくら支払ったのかをすべて把握するのは容易ではありません。
しかし、決済した金額を把握せずにキャッシュレス決済を利用していると、家計の維持が難しくなってしまいます。クレジットカードのように後払いの決済方法なら、支払いができないといった事態を招くかもしれません。
キャッシュレス決済は便利ですが、利用すればその分、資産が減るのは現金と同じです。決済方法ごとに利用履歴をこまめにチェックし、支払った金額を把握する習慣をつけておきましょう。
キャッシュレス決済の選び方のポイント
次のポイントに注目して、キャッシュレス決済の種類を選びましょう。
- 用途によって使い分ける
- 必要以上に増やさない
- 特典を確認する
それぞれのポイントを説明します。
用途によって使い分ける
キャッシュレス決済の種類は、ひとつに絞る必要はありません。生活スタイルに応じた種類を複数選び、用途によって使い分けることがおすすめです。
たとえば、キャッシュレス決済の種類によっては、特定の店舗ではポイント付与率が高く設定されていることがあります。また、ギフトカードなどのプリペイドカードのほうがクレジットカードよりもポイント付与率が高いケースもあります。店舗ごとのポイント付与率の違いを把握し、賢く使い分けましょう。
必要以上に増やさない
キャッシュレス決済の種類が多すぎると、店舗ごとのポイント付与率の違いを把握できないばかりか、利用額全体を把握できなくなる恐れがあります。無理なく管理するためにも、必要以上に増やさないように注意が必要です。
たとえばチャージ式のキャッシュレス決済の場合、チャージした分を使いきれず、少額ずつ残って無駄になる可能性もあります。管理できない数のキャッシュレス決済は利用しないようにしましょう。
特典を確認する
ご自身の生活圏内でおトクに使えるものを利用しましょう。
よく利用する店舗でのポイント付与率が高いキャッシュレス決済の種類を選ぶなら、効率よくポイントがたまり、よりおトクに利用できます。
キャッシュレス決済はポイントをためやすいライフカードがおすすめ
クレジットカードを利用するなら、年会費が無料で、ポイントをためやすいライフカードがおすすめです。初年度はポイント1.5倍、お誕生月の利用はポイント3倍になり、年間の利用金額が増えるほど翌年のポイント付与率が上がるステージ制のプログラムも導入しています。
さらに、入会後に所定の条件を達成することでおトクな特典がもらえるプログラムもご用意しております。新たにクレジットカードを作る予定のある方は、ぜひご検討ください。
ご自身に合ったキャッシュレス決済を選んでおトクに使おう
キャッシュレス決済は便利な決済手段です。ご自身の生活スタイルにあわせて上手に活用すれば、現金よりおトクになることもあります。
複数のキャッシュレス決済を利用し、状況や場所によって使い分けましょう。キャッシュレス決済のひとつとしてクレジットカードを検討している方は、ポイントがためやすくおトクな特典のあるライフカードをチェックしてみてください。
