信用スコアの上げ方は?信用情報との違いも解説
信用スコアとは、個人のさまざまな情報をもとに信用度を数値化したものです。
主に、クレジットカードの発行やローンの契約可否を判断する際に活用されています。
本記事では、信用スコアの概要や信用情報との違いを解説したうえで、信用スコアを高めるポイントを紹介します。
クレジットカードの審査で信用スコアに影響を与える要素を知り、対策を行ったうえで申し込みましょう。
「信用スコア」とは個人の信用度を数値化したもの
信用スコアとは、個人のさまざまな情報をもとに点数を付けて信用度を判断する仕組みです。数値化によって個人の信用度を客観的に判断できるようにするもので、主にクレジットカードやローンの審査で活用されています。
信用スコアの数値が高いほど、「信用力が高い」ことを意味します。
スコアの算出に用いられる情報は、スコアリングサービスによってさまざまです。
算出に用いられる情報の例
- サービスに登録している顧客情報
- サービスの利用状況
- ご自身が提供した追加情報
また、信用スコアの算出には一般的に、ビッグデータやAI(人工知能)の技術が活用されています。
信用情報との違い
信用スコアと似た用語に「信用情報」があります。信用情報とは、クレジットカードやローンなどの取引事実(申込み・契約内容、返済状況など)を登録した個人情報です。
信用スコアと同様に、個人の信用度を判断するための材料としてクレジットカードやローンの審査で利用されています。
両者は信用度を判断する点で共通していますが、その際に用いる情報の種類や量に違いがあります。
信用情報で信用度を判断するために用いられるのは、クレジットカード・ローン・割賦契約に関する客観的な事実です。
項目 | 情報例 |
---|---|
個人を特定するための情報 | 氏名や生年月日、勤務先など |
取引事実 | 契約内容や返済状況など |
いっぽう、信用スコアの算出に用いられる情報はさまざまで、性格やライフスタイル、学歴、購買履歴などが含まれる場合もあります。
また、信用情報を照会できるのは、信用情報機関の加盟会員(クレジットカード会社や消費者金融など)に限定されますが、信用スコアの提供先はスコアリングサービス会社と提携する企業であり、より幅広い企業が該当する可能性があります。
信用情報機関の一社であるCICは、2024年11月28日から「クレジット・ガイダンス」を開始しました。信用情報をもとに算出した指数や算出理由を、消費者やクレジット会社等に提供するサービスです。
信用スコアの活用例
アメリカや中国では、すでに信用スコアが広く活用されており、スコアが高いとローンの金利優遇やホテルの保証金免除、自動車保険料の優遇などの特典を受けられる場合があります。
この章では、アメリカと中国で活用されている信用スコアリングサービスの例を紹介します。
アメリカの信用スコアリングサービス
アメリカでは、従来から信用スコア「FICO Score」が活用されています。
FICO Scoreとは、企業が消費者の与信取引(クレジットやローンなど)の取引履歴をもとに算出したスコアです。アメリカ国内ではクレジット業界のほぼすべての金融機関で活用されているほか、世界25か国以上で使用されています。
FICO Scoreは、5つのカテゴリーのデータをもとに300~850の数値として算出される仕組みです。
カテゴリー | 比重 |
---|---|
支払履歴 | 35% |
借入残高 | 30% |
クレジットヒストリーの長さ | 15% |
新規クレジット | 10% |
クレジットの種類 | 10% |
- ※2024年12月時点の情報。
- ※出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「プラットフォームサービスの動向整理」
消費者は、インターネットを通じてご自身のFICO Scoreを無料で確認できます。
中国の信用スコアリングサービス
中国では、アントフィナンシャル社(アリババグループ)が提供する信用スコアリングサービス「芝麻信用」が数年前から普及しています。
芝麻信用では、5つのカテゴリーに分けて点数化し、総合点数(350~950の数値)で信用度を評価します。
- 1身分特質(社会的地位・身分、年齢・学歴・職業など)
- 2履行能力(過去の支払い状況や資産など)
- 3信用歴史(クレジット・取引履歴など)
- 4人脈関係(交友関係および相手の身分、信用状況など)
- 5行為偏好(消費の特徴や振込みなど)
信用スコアの区分と評価はそれぞれ以下のとおりです。
信用スコアの区分 | 評価 |
---|---|
350~550 | 信用較差(やや劣る) |
550~600 | 信用中等(まずまず) |
600~650 | 信用良好(好ましい) |
650~700 | 信用優秀(優れる) |
700~950 | 信用極好(極めて良い) |
- ※2024年12月時点の情報。
- ※出典:総務省「平成30年版情報通信白書」
信用スコアが600以上の方には、以下のような優遇措置が用意されています。
- ローンの金利が優遇される
- シェアサイクル、図書館、ホテルなどで保証金が免除される
- 雨傘を無料でレンタルできる
日本における信用スコアの普及状況
日本での信用スコアの認知度は、まだあまり高くありません。消費者庁の委託調査によれば、信用スコアサービスに関して7割を超える方が「知らなかった」と回答しました。
認知状況 | 割合 |
---|---|
詳しく知っている | 2.1% |
ある程度知っている | 10.0% |
名前を聞いたことがある程度 | 16.9% |
知らなかった | 71.0% |
ただし、日本でも2017年ごろから各種サービスの利用状況などをもとに信用スコアを算出するスコアリングサービスが開始されています。
また、クレジットカードやローンの与信審査では、日本でもすでに信用スコアの仕組みが活用されています。
クレジットカードの審査で信用スコアに影響する主な要素

クレジットカードの審査では、申込者の支払能力をより正確に判断するために信用スコアの仕組みが用いられています。膨大な取引データをもとにコンピュータが信用度を点数化することで、迅速かつ適正な判断を実現しています。
クレジットカードの審査で信用スコアの算出に用いられるのは、主に「属性情報」と「信用情報」です。属性情報は申込者本人に関わる情報のことで、以下のような情報が挙げられます。
- 職業
- 勤務先
- 雇用形態
- 勤続年数
- 年収
- 住居の状況
- 家族構成
いっぽう、信用情報とは、クレジットカードやローンの申込や契約に関する個人情報です。具体的には、以下のような情報が含まれます。
- 借入残高
- 返済状況
- 延滞など過去のトラブル
- 申込状況
クレジットカードの審査で信用スコアを上げるコツ
信用スコアの算出方法は公表されていないため、スコアを上げる方法を正確に把握することはできません。ただし、信用スコアを高めるための一般的なポイントを知っていれば、対策を講じたうえでクレジットカードに申し込むことができます。
- 安定した収入を得られる仕事に就く
- クレジットカードやローンの返済期日を守る
- 借入をなるべく減らす
- 一度に複数のクレジットカードに申し込まない
なお、クレジットカードの審査では申込者の申告内容などをもとに信用度が点数化されるため、正確な内容で申し込みましょう。
安定した収入を得られる仕事に就く
一般的に、安定した収入を得ていると信用スコアが高くなる傾向があります。
たとえば、年齢が高い方は若い方と比べて年収が高い傾向があるため、信用度が高いとみなされやすいでしょう。また、勤続年数が長いほど、安定した収入を得ていると判断されやすくなります。
さまざまな要素から総合的に判断されるため一概にはいえませんが、勤続年数が増えたり、正社員になって年収が増えたりすれば、信用スコアを高めることにつながるでしょう。
クレジットカードやローンの返済期日を守る
クレジットカードの支払いやローンの返済遅れは、信用スコアを下げる原因の一つです。
クレジットカードの審査では、信用情報機関に登録されている信用情報を照会し、支払いや返済に遅れがないかなどを確認します。
過去に長期延滞や強制解約、債務整理などがあったことが分かると、審査に通過できない可能性が高まります。
借入をなるべく減らす
借入残高も信用スコアに影響を与える要素の一つです。
一般的に、年収に対する借入が少ないほど信用スコアが高くなる傾向があります。反対に、多額の借入があると、支払能力がないとみなされて審査に通過できない可能性があります。
なるべく借入金額や件数を減らした状態でクレジットカードに申し込むことが望ましいでしょう。
一度に複数のクレジットカードに申し込まない
信用スコアの算出に用いられる情報には、クレジットカードやローンの申込状況も含まれます。
一度に複数のクレジットカードに申し込むと、支払不能に陥ることを懸念されたり、入会特典だけを目的とした申込みだと疑われたりし、審査に影響する可能性があります。
審査が不安な方は「デポジット型ライフカード」を検討しよう
ライフカードでは、「デポジット型ライフカード」をご用意しています。
デポジット型ライフカードは、事前にデポジット(保証金)をお預けいただき、保証金の範囲内でお支払いができるクレジットカードです。通常のクレジットカードと同じく、店頭でのお買い物、ECショッピング、公共料金のお支払いなどでご利用いただけます。
また、入会初年度はポイントが1.5倍、お誕生月はポイント3倍になるほか、ご利用額に応じてポイントが最大2倍にアップするステージ制のプログラムもご用意しています。
さらに、弁護士無料相談や海外・国内旅行傷害保険、シートベルト傷害保険などの充実した付帯サービスも特徴の一つです。
審査に不安のある方や過去に延滞がある方、初めてクレジットカードを作る方は、「デポジット型ライフカード」をご検討ください。
信用スコアの仕組みを知ってスコアを高めよう
信用スコアとは、個人のさまざまな情報をもとに点数を付けて信用度を判断する仕組みです。中国やアメリカではすでに広く普及しており、日本でもクレジットカードやローンの審査などに活用されています。
信用スコアの数値が高いほど信用力があることを表しており、金融サービスなどをより良い条件で利用できる可能性があります。
どのような情報が信用スコアの算出に用いられるのかを知り、対策をしたうえでクレジットカードの審査を受けましょう。
ライフカードでは、デポジット型ライフカードをご用意しています。審査に不安のある方や過去に延滞がある方、初めてクレジットカードを作る方にもおすすめです。